2008-11-18
【二十一世紀の資本主義論】
差異から利潤を創りだす―――これが、資本主義の基本原理である。
基軸通貨の問題にたいして、政治における覇権(hegemony)理論や勢力均衡(balance of power)理論を応用することほど愚かなことはない。ドルが基軸通貨であるのは、それが世界中の多くのひとびとに受け入れられてるから世界中の多くのひとびとに受け入れられているという、一種の自己循環論法の結果にすぎない。それは、そのドルを発行しているアメリカという国の経済支配力とはかならずしも一対一対応していないのである。
基軸通貨体制とは、どの通貨であれ、ひとつの通貨が基軸通貨の地位を独占してはじめて安定(balance)するのである。複数の基軸通貨が競合している状態とは、言葉の真の意味での不安定(unbalanced)な状態であり、複数の基軸通貨の勢力均衡などありえない。